こんにちは! 横浜タロット占い師、あん茉莉安です。
子どもが嘘をつくのですが……
というご相談をいただくことがあります。
子どもが嘘をつくと、どんな小さなことでも、ご両親としてはとても心配になりますよね。お母様の場合、たいへんな嘘つきを産んでしまったのではないかと心配になる方も多いようです。
しかしこれは大きな間違いで、生まれつきウソつき体質ということはありませんよ。
但し、ご両親(のいずれか)がウソつきにしてしまっている可能性はありますので、これは生活を見直していただきたいことのひとつです。
厳しく叱られるとウソをつく子になる
子どもとの、親子の関わりを思い返してみてください。
子どもが何か失敗をした、あるいはテストの点数や成績が悪かったようなときに、厳しく叱りつけていませんか?
厳しく叱りつけることは、ウソつきの子どもをつくる最短の方法です。
(「怒るのではなく叱りましょう」という人もいますが、怒るも叱るも一緒で、大切なのはそこに含まれた口調や雰囲気です。怒ってない、叱ってるからいいだろうという言い訳は通用しません)
子どもは、親に叱りつけられることを基本的に恐れています。
特に、厳しく叱る親であればあるほど、悪いコトや失敗をしてしまったときに、失敗をリカバリーすることや、悪かったことを謝るというより前に、どうやったら怒られずに済むか、怖い思いをせずに済むか、ということを考えてしまいます。
そして、子どもが考えつく最短の方法が、悪事の発覚、失敗の発覚を隠す……つまり「ウソをつく」という方法なのです。
同じ叱り方でもウソをつく子とつかない子はいる
確かに、同じ叱り方をしても、ウソをつく子と、そうでない子はいます。
それは、その子自身が持って生まれたキャパシティや、性格に依拠するところが大きいので、個人差の範囲と言わざるを得ません。
「他のみなさんと同じように叱っているだけなのに、うちの子だけがウソをつく」
というようなことは充分にあり得ます。
それは、その子の受容量を超えてしまっているというだけのことかもしれません。
もちろん叱り方だけが原因でない場合もある
ウソをつくというのは、もう1種類あって、「悪事・失敗を隠す以外のウソ」の場合は叱り方だけが原因ではないケースも多いものです。
「悪事・失敗を隠す以外のウソ」とはつまり、「自分をもっとえらく見せるためのウソ」です。
ところが、「自分をもっとえらく見せるためのウソ」も、子どもにとってはあるあるですから、困りもの。
こうしたウソの場合は、子ども自身が、多くは友達に対して、「自分をもっとえらく見せたい」「すげー! って言ってほしい」「ちやほやしてもらいたい」と感じているのが原因です。
とはいえ、それは子ども一人が悪いのではなく、ご家庭で子ども自身の価値をきちんと認めてもらえない場合に、家の外に出て「自分をもっとえらく見せるためのウソ」をつくことが多いことも、親が覚えておかなくてはならないことの1つでしょう。
小さな子どもはウソそのものに罪悪感は持たない
大人は、ウソつきは泥棒の始まりなどと言われ、「ウソ=いけないこと」という認識を持っていますが、子どもは小さいほど、そのような認識はありません。
幼児であれば自分の妄想の中で起こる出来事を、さもあったかのように話すことがある……というよりも、まだ年齢的に現実と妄想の区別がつきにくいのです。
この時期に、何か失敗や粗相があって、しょっちゅう激怒するということを繰り返していると、子どもは罪悪感なく、ウソで失敗を隠すことを覚えます。
同様に、この時期に子ども自身の価値を認めず、成績や結果、持ち物を褒めるというようなことだけを繰り返すと、もっと褒めてほしい……というときに自分自身をレベルアップするのではなく、(ウソの)持ち物、(ウソの)成績、(ウソの)旅行や(ウソの)すごい友達などを自慢して、周囲の関心を集めることを覚えるでしょう。
これらのことは相互に関係しあい、人格のひとつとなって、虚言癖といったような大人の問題に成長していくこともあります。
共通の動機は「本当のことを隠したい」ということ
どのようなウソでも、ウソの動機は、「本当のことを隠したい」ということです。
そのため、本当のことを言ってきた子どもを厳しく怒る、ということを繰り返していると、子どもは本当のことを言わなくなります。これは当然の流れです。
例えば、学校から持ち帰ってきたプリントを、お母さんに出すのを忘れていたとして、
「バレたら怒られる!」
と思えば、子どもはプリントを隠します。
極論、
「このまま出さなかったら、たいへんだ! お母さん悲しむぞ!」
ということに思い当たれば、プリントを出します。
そこまででなかったとしても、怒られないことがわかっていれば、出したほうが良いことは理解しているのですから、出すのです。
ウソの多い子は、大人になっても親に隠し事が多い大人に
怒られることが多く、ウソの多い子は、大人になっても親を信頼することができません。
どんなに親が子どもを愛し、子どもが万一のときには自分だけは味方でいようと思ったとしても、子どもは親を信頼しません。
自分が万一のときには、真っ先に血相を変えて怒るであろう親の姿が想像できるからです。
どうしてそんなドジをしたの! とか、あなたがバカなんでしょ! とか、
ありのままの、困っている自分を、受け入れ、協力して、助けてくれるどころか、バカにし、虚仮にし、失敗したことで落ち込んでいるのに、さらに落ち込むようなことを言う。
たとえ、親の側が「そんなことしないよ……」と思っていたとしても、子どものほうは「するに決まってる」と思う。だから、大人になっても、自分の良いところや、良い成績を残したときは報告があっても、そうでないときには敬遠され、特にマズイことがあったときや、落ち込んだときほど、連絡をしてくれることはなくなるでしょう。
失敗したときこそソフトに扱って
子どもを厳しく扱って良いのは、子どものテンションが高く、天狗になっているようなときだからこそ。
失敗したり、落ち込んだり、テストの点数が悪かったようなとき、厳しさはほどほどにとどめ(たぶんゼロではだめなんでしょう)、ソフトに扱いましょう。
失敗は、リカバリーをしたり、次のチャンスを得ることを教えるチャンスでもあります。
怒れば次の失敗はなくなる、と安直に考える親が多いですが、そううまくはいかないでしょう。
子どもは失敗するものだからです。
私自身もまた、失敗を繰り返して大きくなったであろうことを思い返し、感情的に怒ることはほどほどにとどめたいと願う親の一人であります(笑)