『子どもと生きる・あまえ子育てのすすめ』という本の中に、「育ち直し」をした子どもの話が出てきます。近年最も驚いた、子どもの育ち方に関するひとつの事例ですので、一部をまとめてご紹介しますね。
生まれ直した女児
小学四年生の女児。遺糞症の症状があります。遺糞症というのは、うんちが漏れてしまう症状です。
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父親の暴力のため、1歳のときに両親が離婚。ところが父に引き取られてしまい、父方の祖母がめちゃくちゃに厳しく育ててしまったようです。小学四年生ですので、おおよそ9歳ですが、遺糞症がひどくなり、その父親と祖母が、育てきれないといって母親に引き取らせた。そこまで聞いてもひどい話です。
もちろん、遺糞症の女の子を、その父親と祖母はひどく叱ったわけです。それでも、どうにもならなくて母親に丸投げ。その後、母と母方の祖母は、女の子を非常にかわいがりました。ひどく我慢させることなく、甘えさせたのだといいます。
そして、遺糞症が治らないまま二ヶ月後、女の子は新しい遊びをはじめました。
一日に3~4回、布団とお母さんの胸の間に潜り込み、足のほうへ向かって這い、足の間から這い出る……。
さらに、家に戻ると赤ちゃん言葉を使い、母親や、祖母から食事を食べさせてもらう。
学校で段ボール箱を見つけ、胎児のように中で丸まって寝る。
それらの行動が二週間続き、その後ぴったりと収まり、遺糞症が減退しはじめ、半年後には全く症状がみられなくなった、というのです。
母親の胸から這い降り、足の間から這い出す儀式。
これは、ひどく傷ついた心が、もう一度胎児に戻り、生まれ直す儀式に他なりません。
この女児は、父親のもとで傷つけられた過去を捨て、もう一度、優しい母親のもとで育ち直すために、生まれ直し、赤ちゃんに戻ったのです。
我慢することで傷つく子どもたち
海外のことには明るくありませんが、日本でやはり目立つのは、非常に我慢させられることによって、傷ついた心を持ったまま大人になる子どもたちです。
日本の風土は、我慢の風土です。我慢することが美徳であり、それができない者は秩序を乱す者として非常に嫌われます。
そして、私たちは得てして、家庭でその常識を子どもたちに身につけさせなくてはならないと考え、家庭の中において、甘えることを制限し、子どもたちを厳しく育てがちです。
ところが、中には上の例で挙げたような、女児の父親や祖母のように、「大人の都合のために、子どもに我慢をさせる」親たちもおり、こうした我慢を強いられた子どもたちは、「良い子」に育つ一方で、より大きな傷を抱えて生きるように見えます。
また、幼いときに下の子が生まれた場合も似たようなことが起こりうると、この本を読んでいるとよく思います。
しつけと、甘え。この2つは難しい両天秤ではありますが、バランスが崩れてしまうと、子どもの心に傷を残したり、あまつさえ身体症状を伴うこともある。
私たちはそれをいつでも忘れてはならないように思います。
※今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
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