幸運術士 あん茉莉安の こころと未来を開く手帖

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中学受験は「するのが正解」なのか

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季節柄、中学受験が終わり、次年度の6年生が「最終学年オーラ」を出し始めるタイミングで、テレビでも中学受験についての特集が組まれたようです。

わが子を中学受験させた結果、一流校に全員入学でき、しかもそれが全員東大へ進学したともなれば、その「メソッド」はもちろん注目を浴びますね。

その反面、いかにも「中学受験はいいぞ」「絶対やらせるべきですよ」という主張には反発も大きいものと思います。

 

Xをみると、「みんながその方法で成功するわけではない」「子どものやる気がないのに中学受験をさせるのは親のエゴだ」といったようなご意見も並びます。

ごもっとも。

 

一般的な意見は個々人で拾っていただくとして、ここでは中学受験に対する私見を述べたいと思います。

中学受験はそんなに人生を確約してくれるものではない

先に申し述べておくと、私は中学受験をした人間です。こう見えてSAPIXも経験しましたよ。

その立場からいうと、中学受験をしたことのない人が中学受験を語るのは、もちろん構いませんが、的外れなこと、イメージだけでお話されていること、いっぱいあると思います。ですがこの文章に限っていえば、そうではありません。実際に中学受験した人間の私見です。

 

その立場から言わせていただければ、

 

中学受験は皆さんが期待されているほど人生を確約してくれるものではありません。

例えば、関東最高峰の中学に入学したところで、申し訳無いけど、社会人になった頃には、特に中学受験など全く知らないような方には「○○中学? 何それ?」と言われるのがオチです。運が良ければ「へえ、すげーじゃん!」くらいは言ってもらえますが、それだけです。同じ中学受験をした人でも、いや、だからこそ、「○○中学? ふーん、昔頭よかったんだね」と言われるくらいです。だって中学受験した人は、その価値がお互いにわかっていますからね。

 

就職のとき、履歴書は高校から書くのがスタンダード。どこ中を出ていようがあまり問題にはなりません。

ただ、中高一貫校であれば「高校受験をしなくても良い」というオマケがついてきます。6年間を目の前の学業に集中することで、好きなコトを究め、それが大学受験や就職に長い目で見て活かされてくることはあると思います。

また、中学受験という荒波を乗り越えた子は、その後下手に不要な荒波に晒したりしなければ、中学受験をしない子に比べて荒波乗り越え力が高くなるので、それが将来的に利点になってくることもあるかもしれません。

 

しかし、どれも確約ではありません。荒波を乗り越える力にしても、乗り越え過ぎて体力を使い果たしてしまい、もう超えられなくなるというパターンが腐るほどあります。

「中学受験をすれば何かが身に付いて、いい中学、いい高校、いい大学、いい会社に……」などという甘っちょろいことは考えないほうが良いでしょう。

中学受験のメリットは各お子さんで違う

中学受験のメリットは各ご家庭で違います。さらに各お子さんで得られるメリットは全く異なることになるでしょう。

もっとも、例えば2人のお子さんがいたとして、「メリット」の考え方によっては、2人が全く同じメリットを得られる可能性もあります。

 

正直を申しまして、私は子どもを中学受験させるメリットに「6年間の明るく暖かいトイレ」を掲げていました。これは子どもにも共有しています。このメリット設定が正解かどうかではなく、こういうのもある、ということです。

 

そして中学受験は本来、落ちてもメリットのあるものです。お子さんが勉強に対する姿勢を身につけることができれば、それだけで満点でしょう。

やりようによってはメリット0の中学受験になってしまう

よろしくないのは、親御さんが中学受験をお子さんに無理に押しつけているケースです。

お子さんの意志ではなく、お子さんは全く興味がないのに、どうしても「いい中学!」「偏差値!」なんて親御さんが叫んでいますと、お子さんは勉強がまったく楽しくありませんから、勉学の習慣を身につけずに中学に進むようなことにもなりかねません。

これは、受験まではと思って勉強をしているように見えても、心が拒絶しているから習慣としては身に付いていないんですね。中学に入ってから、入試という目標もなくなり、勉強を放棄したり、不登校の道を選択したりするケースもあります。

こうなると、もしどんな(親御さんの考える)良い中学に入学していたとしても、メリットは0です。

それでもお子さんは自分で自分の道を見つけていかれるでしょうけれど、少なくとも中学受験は役に立たなかったと思うしかないでしょう。

中学受験は、すれば正解なのではない

中学受験は「やればいいってものじゃない」という言葉そのものの存在です。

もしするならば、お子さんの努力が無駄にならないように。

しないからといって不正解ということではありません。

 

特に中学受験に「将来伸びてくれれば……」という夢を見ている親御さんは多いと思いますが、中学受験と将来性との関係は既に述べたとおりです。

しっかりと、わが子にとってのメリットを考え、それにわが子が賛同するかどうかも見極めながら、各ご家庭で決められたらよろしいのかなと思います。

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